Message
メッセージ
子どもを大切に想うお父様、お母様へ
「親以外に子どもの内面をよく見てくださる方がいて、心強いです。」
「以前に比べ、子どもが精神的に成長しました。」
有難いことに、レッスンに通う子どもたちの、
お父様、お母様から実際にいただいたお言葉の一部です。
私自身も、
弾けるような笑顔でお教室に通う生徒さんが、
年々増えていることを感じ、
静かな喜びをじんわりと味わう毎日です。
少しずつではありますが、
子どもの心に、
たとえ新たな悩みが生まれたとしても、
それを人に打ち明けたり、
不安を拭えるようになったり、
お休みしていた学校に行けるようになったりと、
自分で問題に対応できる柔軟さや、
強さも身について来ているように思います。
子どもたちのピアノの音を聴いても、
その違いは明らかで、
曇った日のような重たい音や、
怒ったように乱暴だった音が、
柔らかに、包み込むような優しい音、
楽しそうで、
キラキラと輝く音に変わる瞬間に、
度々立ち会えるようになりました。
私の行っているレッスンは、
ピアノを通した音楽や、
技術磨きの場としてだけではなく、
個性を最大限に尊重しながら、
お子さんの「心の輝き」を重視した時間にしています。
どうしてピアノ教室で、
心を大切にしたレッスンと共に、
子ども相談室を行うようになったかといいますと、
そこには、私自身の子育てが大きく関わっているのです。
私は、ピアノ教師を30年続けながら、
2人の繊細な娘の子育ても経験ました。
この子育てが困難を極め、
娘たちの抱える心の問題解決のために、
一体どうすれば良いのか、
自分で考えられる手を尽くしましたが、
なかなか上手くいきません。
試行錯誤する中、藁をもすがる思いで、
たくさんのエキスパートの方に子育てや、
人の心や脳について、必死に学び続けました。
工夫を重ね、娘たちは無事に成人しましたが、
今度は、この経験を通して学んできたことを
私の大切な生徒さんや、
そのご家族のために生かせないだろうかと思い始めたのです。
それは、私が悩んでいた当時、
今持っている知識があれば、
あれほど子育てに苦労することはなかったのではないかと、
容易に想像できるからです。
現在では、この学びと経験をフルに使い、
子どもの抱える悩みや、心配と成り得る「種」を、
ピアノの音色や子どもたちの表情と行動、
言葉遣いなどからいち早く気づき、
お父さま、お母さまと連携して、
解決へと促すことができるようになりました。
昔の私のように、
子どもにどうしてあげたら良いのか分からず、
困っておられるご家族には、
相談の時間を設け、
私の経験と知識をお伝えするようにしています。
こうして、子どもの心が輝いていく成長過程に
寄り添わせていただけることに、
何ものにも代え難い喜びを感じていますが、
それを私以上に喜んでくださっているのは、
大切な子どもたちのお父様やお母様なのです。
ピアノ教室を運営しながら、
「先生に巡り逢えてよかった。」
などと、誰かに言っていただけるとは、
夢にも思いませんでした。
一風変わったピアノ教室なのかもしれませんが、
「心の音」に耳を澄ませたレッスンと相談室を、
こうした経緯で丁寧に行っています。
ピアノという音楽ツールを通して、
子どもの心だけでなく、
関わってくださるお父様もお母様も一緒に、
キラキラ笑顔の仲良し家族が
どんどん増えていくこと、
それが私の小さな願いです。
有井晴子
生徒さんご兄妹と