最近、意欲がなくなっていた生徒が思いを話してくれたお話をします🎹
ピアノの練習量が少なくなっていて
怒りっぽくなっている子がいたんです
少しの注意でも
「もう嫌だ無理だ弾きたくない」って怒りだすんです。
そうなるとその日はもうピアノを弾かないんです。
うずくまって固まって
優しく声をかけても
お説教モードでお話してみてもダメ
例えば「指の番号が違うから直そう」この程度で
指の番号をなぜ直したほうが良いのか説明してもダメ
なので全然進まない
毎週細心の注意を払っても
些細なことで怒りんぼは発動してしまいます
会話の中でお家でのその子の様子をさりげなく探ってみたり
仲良しのお友達に最近の様子を聞いてみたりすること数か月・・・
今日はレッスン日でした。
兄弟で来ているので待っている時間に
本棚に置いてある『まんが人物事典』を読んでいたんです
生徒 「小野小町じゃなくておのの・・おのの・・・」
わたし 「小野妹子!」
生徒 「そう先生~なんでわかったん」
この後もこの会話は続き
中大兄皇子
蘇我入鹿
中臣鎌足
苗字で詰まっているところを私が少し離れたところから本を見ずに答えるので
「先生~すご~い」
と喜んでくれてテンションが上がった次の言葉が
「先生~生きる意味がわからない」だったんです
勉強を頑張ったり
ピアノを頑張ったりしても
人って死んでしまうのに何で頑張らないといけないのかわからない
生きる意味が分からないって
なぜこんなにも意欲がなくなってすぐに怒りだして泣きながらうずくまってしまうのか
ずっと原因を探っていた私は
それだったのかと思わず
何をしている時が一番楽しいか聞いてみたのですが
答えに困っていたようだったので
私のお話を
もし先生が子供の頃にピアノを頑張って練習してなかったら
今ピアノの先生をしていないし
今みたいにピアノを教えて
ピアノが弾けるようになる子供たちが増えていって
ピアノが上手になって好きになって
喜んでくれる子がいるのは
これは先生の生きる意味だよ
だから頑張ることも生きる意味もあるよ
ここでもう笑顔になってくれていました
そして走ることが好きだって教えてくれたんです。
クラスで1番速いんだそうです。
走るのを頑張ってもっと速く走れるようになって
大会で優勝したり
もしかしたらオリンピック選手にだってなれるかもしれない
そうしてパパやママが喜んでくれたら
走ることで人を喜ばせることができる
生きる意味になるよ
ってお話しました
そしてもう一つ
お料理を作るのが好きだって教えてくれたんです。
美味しいお料理って「うわぁ~美味しい」って食べたら笑顔になるから
美味しいお料理を作って食べた人を幸せにするのも
これも生きる意味になるよ
2つも生きる意味みつかったね~
ほんまや~
ってわたしまで嬉しくなるようないい笑顔でした
「でもピアノはもう無理やんなぁ~」って
実はわたし
生徒には言いずらいのですけど
小学生の頃はピアノがそんなに好きではなくて
ろくに練習もしてなかったので
今から頑張ってもまだ間に合うと答えました
わたしがピアノを頑張りだしたのは6年生からなので
これは本当のお話なんです
驚いてましたけどニヤリとしたのを
見逃しませんでしたよ
はじめはピアノが弾けるようになりたくて習ってたのを思い出してくれたらいいなぁ
ピアノも頑張ってくれたらいいなぁ
これで生きる意味がないなんてやる気を無くさずに
色んなことに打ち込めるようになってくれたら良いなぁ
笑顔になってくれて本当に良かった
速く走れる料理人になるって言って帰っていきました
これからも悩みを打ち明けてもらえるピアノの先生でいられるように
日々精進しようと思います